ファーストインプレッション:ゲーミフィケーション本2冊斜め読み

明日からニューヨークでゲーミフィケーションサミットが開かれる。奇しくも昨日、2冊のゲーミフィケーション関連の本が届いた。一冊はAmazonのドイツから船便でやってきた、Gabe Zichermannの”Gamification by Design.” もう一冊はゆめみの深田浩嗣さんの本、”ソーシャルゲームはなぜハマるのか- ゲーミフィケーションが変える顧客満足。”

目の前に片付けないといけない仕事があるのだが、こういうときに限って、つい、読んでしまう。といっても、熟読はしていられないので、斜め読んでみた。

第一印象として、この2冊をちゃんと読めば、群盲象をなでるがごときゲーミフィケーション界隈の話がわかると思えた。少なくとも自分では、斜め読みでわかったつもりになった。

これら2冊では、内容に共通するところも多く、とりわけゲームに関してなぜハマるのか、というあたりの理論紹介に関してはそうだ。例えばCsikszentmihalyi(チクセントミハイ)のフローの概念図や、Bartleのプレイヤーの分類に関しては、同じものが使われているし、PinkのDrive(モチベーション3.0)についても両者で言及されている。

深田さんの本は丁寧で、ゲーミフィケーションの定義としてZichermann、Wikipedia、Bunchball社の定義が並べて記述されている。僕もそれらをばらばらに読んでいたのだが、こうやってまとめられると嬉しい。同じBartleでも、Zichermannの本では4つのタイプの話は出ているが、深田さんの方は、参考としてBartleが8つにこれを拡張したことまで書いてある。また、ちゃんと紹介してあるわけではないが、深田さんの本には、Huizinga(ホイジンガ)のホモ・ルーデンスや、Caillois(カイヨワ)の遊びの4分類などにも触れられており、著者が真摯に遊びの理論と向き合っていることがわかる。巻末の文献には新旧おりまぜて、ゲーミフィケーション周りのものについて網羅されているのも親切だと思う。

だが、なんと言っても深田さんの真骨頂はゲーミフィケーションフレームワーク概念図として、ソーシャルゲームのありようを構造化して見せたところにある。この図は本の随所で繰り返し使われ、既存のソーシャルゲームを分析したり、ゲーミファイするばあいの手順、チェックリストなどのベースとして使うことも具体例をもとに提唱されている。

対するZichermannの本は、理論を前半で押さえた上で、よりHow toに重きが置かれている。実践的、実際的であり、ターゲットもある程度この分野に馴染みのある人を対象としているため、Howの部分の掘り下げは深い。実際、プログラミングのコードを載せていたりもするので、飛ばし読み、斜め読みを嫌う人–実は飛ばして読んでもわかるようになっている–にはやや辛いものがあるかも知れない。

深田さんの本もそうなのだが、とりわけZichermannの本は教科書として優れている。ゲーミフィケーションの実践に向けて、内容がよく構造化されている。だから、冒頭にあげたこの2冊を読めば云々という話になるのである。

Zichermannの本は英語で書かれているにもかかわらず、まったく抵抗感がなくすいすい読める。小難しい言い回しがほとんどなく、10時間くらいで読めるな、という印象を持った。フルカラーで、本文もキーワードが緑になっていたり、囲み記事や脚注も読みやすい。この分野に興味があり、たまには英語で本を読みたい人がいたら、間違いなくおすすめである。

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大下文輔 について

Communication Strategist, Freelance
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